岡山理科大学 工学部 機械システム工学科

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機械システム工学科 川崎賞

 平成9年4月,機械工学科(機械システム工学科の前身)の当時4年次生川崎和人君は,卒業研究のため,教授 滝 晨彦研究室(歯車などの機械要素研究室)へ配属されました(滝 教授によれば,川崎君は酒豪で,明るい性格の快男児でした.)

 その7月の梅雨頃,川崎君は急性膵炎(すいえん)のため,岡山中央病院へ緊急入院しました.(平成9年当時,岡山中央病院は済生会病院の隣@奉還町にありました.沈黙の臓器とよばれる膵臓の病気はわかりにくく,多くの場合,発病は激痛を伴います.)郷里(鹿児島県曽於郡)からご両親が直ちに来岡し,数度の手術・入院の看病につとめました.(膵臓は最深部にあるため,一度の手術で癒着し,二度目以降,芳しくない結果となりました.)翌平成10年の正月明け,ご両親や病院の看病・介護の甲斐もなく,川崎和人君は他界しました.(7日正月が終わった頃,訃報が入り,滝 教授は郷里の葬儀に参列されました.)

 その年2月の忙しい行事を終え,3月に入って一息ついた頃,静まりかえった学内の中を,四十九日の法要を終えたご父君川崎巌氏が,滝 教授のもとを訪ねてこられました.ご父君は,もうすぐ卒業式になるが,亡くなった息子の卒業祝いとして蓄えていた拠金を,息子が世話になった御礼として,学科に役立てて欲しいと,滝 教授に託しました.

 学科では,ご父君の志(こころざし)にかんがみ,毎年,卒業する4年次生のうち,学業・人格ともに優秀な1名を選出し,2月11日に開催する卒業研究発表会の終了時に,「川崎賞」として表彰し,この拠金で購入した「機械工学実用便覧(日本機械学会編)」を副賞として授与しています.(2011年度の改訂第7版では,滝 教授も分担執筆しておられます.)

平成10年(1998年)度に,この機械工学科「川崎賞」が設置
平成16年(2004年)度からは,機械システム工学科「川崎賞」
平成23年(2011年)度で,すでに14年が経過しました
平成24年(2012年)3月,滝 晨彦教授は定年退職されましたが,学科では,今後も.ご父君の志を引き継ぎ,「川崎賞」を存続します

滝 教授より(2012/2/11調査)
機械システム工学科 平成23年度学科長 高見敏弘 記